2025年1月24日に公開された映画『アンダーニンジャ』は、花沢健吾原作の人気漫画を実写化した話題作です。
福田雄一監督による独特のギャグ演出と、迫力あるアクションシーンが融合した本作は、観客から賛否が大きく分かれる結果となりました。
本記事では、映画のストーリー、原作との違い、評価のポイントを解説しつつ、好評・不評それぞれの意見を紹介します。
- 映画『アンダーニンジャ』のストーリーと原作との違い
- アクションや俳優陣の演技に対する高評価のポイント
- 福田雄一監督のギャグ演出に対する賛否と評価の分かれ目
- 続編の可能性と今後の展開の予測
映画『アンダーニンジャ』のストーリーと原作との違い
『アンダーニンジャ』は、「忍者が現代日本に20万人潜伏している」というユニークな設定を基にしたアクション映画です。
第二次世界大戦後に解体されたはずの忍者組織「NIN(ニン)」は、実は今も活動を続けており、一部の忍者は一般社会に溶け込んで生活しています。
そんな中、末端の忍者である主人公・雲隠九郎(山﨑賢人)は、突如として「高校への潜入任務」を命じられます。
現代に生きる忍者たちの戦いを描く
九郎の任務は、講談高校に潜入し、謎の忍者組織「UN(アンダーニンジャ)」の実態を探ること。
高校の生徒たちの中には、「UN」に関わる人物が潜んでおり、九郎は浜辺美波演じる野口や坂口涼太郎演じる瑛太らと接触しながら調査を進めていきます。
しかし、この高校には単なる忍者同士の抗争を超えた、国家を揺るがす巨大な陰謀が隠されていたのです。
NIN vs UN|忍者組織の対立
本作のキーポイントとなるのは、NIN(政府公認の忍者組織)とUN(反政府組織)の対立です。
NINは伝統的な忍者の技術を受け継ぎながら、現代では公的機関の裏で活動しています。
一方、UNは「新時代の忍者」を名乗り、最新鋭の装備とテクノロジーを駆使して暗躍しており、その目的はNINの壊滅と、新たな忍者社会の構築にあります。
UNの真の狙いは、NINが保有する人工衛星「遁(とん)」にアクセスし、20万人の忍者の個人情報を奪うことでした。
これにより、彼らは忍者社会の歴史を塗り替え、新たな秩序を築こうとしていたのです。
原作からの改変点
映画版は、原作のストーリーをベースにしつつも、いくつかの大きな変更が施されています。
- 原作のダークな雰囲気を抑え、コメディ要素を増加。
- 原作のグロテスクな描写がカットされ、映倫G(全年齢対象)として公開。
- 原作では重要なキャラクターである佐々魔が未登場。
- 猿田(岡山天音)と戦うのが鬼首(おにこうべ)ではなく、加藤(間宮祥太朗)と蜂谷紫音(宮世琉弥)に変更。
- クライマックスの戦いの舞台が、楊紀伊高校の屋上ではなく、裏山の洞窟に変更。
- 九郎のラストシーンが、野口との別れを演出する感動的なシーンに変更されている。
クライマックスの改変|九郎の運命
映画のラストでは、九郎はUNの幹部である山田美月(山本千尋)との壮絶な戦いに挑みます。
原作では、九郎は山田に敗北し、顔の上半分を切り落とされて死亡するという衝撃的な結末を迎えます。
しかし、映画版ではこの展開が変更され、九郎は山田と相討ちのような形になり、ラストシーンでは野口を守るために摩利支天を託すという感動的な演出に。
その後、エンドロール直前で九郎と同じ顔を持つ男=雲隠十郎(山﨑賢人・二役)が登場し、続編を示唆する形で幕を閉じました。
映画ならではの魅力と原作ファンの不満
本作は、福田雄一監督らしいコメディ要素と、迫力のあるアクションが融合した作品に仕上がっています。
特に、山﨑賢人の身体能力を活かした忍者アクションや、山本千尋の本格的な殺陣シーンは大きな見どころです。
しかし、原作ファンからは、「シリアスなストーリーがギャグで台無しになっている」との声も多く、評価は大きく分かれる結果となりました。
評価の高い感想|アクションと俳優の演技を称賛
映画『アンダーニンジャ』には、迫力あるアクションや豪華キャストの演技を絶賛する声が多く寄せられています。
特に、山﨑賢人、山本千尋、間宮祥太朗、岡山天音らが演じた忍者たちのアクションシーンは、観客の評価が高かったポイントの一つです。
ここでは、映画の中で特に好評だった要素について詳しく解説していきます。
迫力のあるアクションシーン
本作の見どころの一つが、「忍者らしさ」を活かした独自のアクションです。
山﨑賢人が演じる九郎は、足を使った独特の戦闘スタイルを駆使し、スピーディーな攻防を繰り広げます。
また、UN側の忍者である猿田(岡山天音)は、最新の忍者装備を活用しながら、NINの忍者たちを翻弄。
この戦闘シーンでは、透明化装置や最新技術を駆使した忍術が描かれており、「現代の忍者」を表現するためのこだわりが感じられます。
山本千尋の殺陣が圧巻
特に好評だったのは、UNの幹部・山田美月を演じた山本千尋のアクションシーンです。
彼女は武術のバックグラウンドを持つ実力派で、映画の中でもリアルな殺陣を披露。
山田と九郎の最終決戦では、ドローン刀とジェット刀を駆使した激しい戦闘が繰り広げられ、観客を魅了しました。
豪華キャスト陣の好演
本作のもう一つの魅力は、実力派俳優たちの熱演です。
- 山﨑賢人(雲隠九郎):コミカルな演技とシリアスなアクションのギャップが評価された。
- 浜辺美波(野口):映画オリジナルのキャラクター描写が加わり、彼女の存在感が際立った。
- 間宮祥太朗(加藤):重厚なアクションシーンが印象的で、「忍者らしさ」を感じさせた。
- 岡山天音(猿田):原作ではそれほど目立たないキャラだが、映画では重要な役割を果たした。
映画ならではのスケール感
映画『アンダーニンジャ』では、忍者の世界観を大きなスケールで描いている点も好評でした。
特に、クライマックスの戦闘では、講談高校の地下空間や裏山の洞窟などを舞台にしたダイナミックなアクションが展開。
この大規模な戦闘シーンは、映画ならではの迫力を生み出し、多くの観客を惹きつけました。
原作未読でも楽しめる?
原作未読の観客からは、「ストーリーがわかりやすく整理されており、初見でも楽しめた」という声が多く上がりました。
アニメ版は時系列が入り組んでいて分かりにくい部分があったものの、映画では一本の物語としてまとめられており、忍者アクションとしてのエンタメ性が高いと評価されています。
このように、『アンダーニンジャ』はアクションやキャストの演技を高く評価する声が多い一方で、次の見出しで紹介するように、賛否が分かれる要素もありました。
評価の低い感想|ギャグ演出に賛否
一方で、『アンダーニンジャ』には否定的な意見も多く見られました。
特に、福田雄一監督特有のギャグ演出が「作品の雰囲気と合わない」「くどすぎる」といった声が多く、原作ファンからは厳しい評価を受けています。
また、ストーリーの改変やカットされた要素も、原作ファンにとっては不満点の一つとなっているようです。
福田監督のコメディ色が強すぎる?
本作の最大の賛否点は、福田雄一監督のギャグ演出です。
佐藤二朗、ムロツヨシ、木南晴夏といった福田組の常連キャストが登場し、持ち味のアドリブギャグを披露。
これについて、以下のような評価が見られました。
- 「映画館でクスクス笑いが起きていたので、ギャグが好きな人にはウケていた。」
- 「長すぎるギャグシーンが多く、アクションのテンポを悪くしていた。」
- 「忍者映画なのに、シリアスとコメディのバランスが悪い。」
特に批判が多かったのは、ムロツヨシと山﨑賢人の押し入れのやり取りや、浜辺美波の「変顔シーン」。
「これが福田監督の作風」と割り切れるかどうかで、評価が分かれたようです。
ストーリーの改変に対する不満
原作ファンからは、映画オリジナルの改変について否定的な意見が目立ちました。
- 「原作のシリアスな雰囲気が、ギャグのせいで台無しになっている。」
- 「登場キャラの削減が激しく、佐々魔などの重要キャラが未登場なのは残念。」
- 「クライマックスの戦闘シーンが改変され、原作の衝撃的な展開が薄まった。」
特に、原作では九郎が山田美月に敗れ、死亡するという結末だったのに対し、映画では相討ちに変更されました。
この改変については、「映画として分かりやすくなった」という意見もある一方、「原作のインパクトが失われた」という不満も多く見られます。
アクションが少なかった?
アクションシーンについても、一部の観客からは「もっと戦闘を増やしてほしかった」という声がありました。
福田監督のギャグシーンが多かったことで、アクションの比重が軽くなったと感じた人もいたようです。
また、UNの忍者たちが最新の装備を使う設定があったにも関わらず、実際の戦闘ではオーソドックスな「刀での戦い」がメインだった点も、物足りなさを感じた人がいたようです。
原作ファン vs 映画ファンの意見の違い
最終的に、本作の評価は「福田監督の作風を受け入れられるかどうか」で大きく分かれました。
- 原作ファン:「原作のシリアスな雰囲気を大切にしてほしかった。」
- 映画ファン:「アクションもあり、ギャグもあり、娯楽映画としては楽しめた。」
このように、『アンダーニンジャ』はギャグ演出に対する賛否が大きく分かれる作品となりました。
次の見出しでは、本作の総評と、続編の可能性について考察します。
まとめ|『アンダーニンジャ』は見る価値あり?
映画『アンダーニンジャ』は、アクションとギャグの融合が特徴的な作品となりました。
アクションシーンやキャストの演技は高く評価された一方で、福田雄一監督のコメディ要素が強すぎるという批判もあり、賛否が大きく分かれています。
ここでは、本作を観るべきかどうかを、評価のポイントとともに整理していきます。
『アンダーニンジャ』はどんな人におすすめ?
本作を楽しめるかどうかは、観る人の好みによる部分が大きいです。
以下に、おすすめできる人・そうでない人をまとめました。
おすすめできる人 | おすすめしにくい人 |
---|---|
・アクション映画が好きな人 | ・原作のシリアスな雰囲気を期待している人 |
・福田雄一監督のコメディが好きな人 | ・ギャグ要素が苦手な人 |
・キャストの演技を楽しみたい人 | ・原作のストーリーを忠実に再現してほしい人 |
・アニメ・原作未読でも映画単体で楽しみたい人 | ・シリアスな忍者映画を求めている人 |
続編の可能性は?
映画のラストでは、九郎とそっくりの男=雲隠十郎が登場し、続編の存在を示唆しました。
また、原作者の花沢健吾氏も続編を希望しているとの情報もあります。
しかし、続編が制作されるかどうかは、興行成績と評価次第といえるでしょう。
- 興行的に成功すれば、続編の制作は十分にあり得る。
- ただし、福田監督の作風が賛否を呼んでいるため、監督交代の可能性も?
- アニメ版の第2期が先に制作される可能性もある。
最終的な評価|『アンダーニンジャ』は良作か?
映画『アンダーニンジャ』は、斬新な設定とアクション、豪華キャストを楽しめる作品ですが、シリアスさを期待する人には不向きな一面もあります。
最終的な評価をまとめると、以下のようになります。
- アクションと忍者バトルは見ごたえあり!
- 福田監督のギャグ演出が合うかどうかで評価が大きく変わる。
- 原作ファンには物足りない可能性あり。
- 続編の可能性はあるが、興行成績次第。
もし本作が気になっているなら、「福田作品として観るのか」「原作ファン視点で観るのか」を意識すると、より楽しめるかもしれません。
今後、続編やアニメ第2期の動向にも注目したいところです。
- 映画『アンダーニンジャ』は、現代に生きる忍者たちの戦いを描いた作品
- 原作のダークな雰囲気に対し、映画版は福田雄一監督のギャグ演出が強め
- アクションシーンやキャストの演技は高評価される一方、コメディ要素に賛否あり
- 原作からの改変が多く、特にラストの展開が大きく異なる
- 続編の可能性は十郎の登場で示唆されているが、興行成績次第
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