NHKドラマ『しあわせは食べて寝て待て』第8話では、旅立つ人、残る人、それぞれの決断と向き合う姿が丁寧に描かれました。
さとこが母と再会し、透子が鈴と対峙する中、団地での暮らしと人との絆が再確認されていきます。
本記事では、第8話のあらすじを紹介しつつ、登場した「ピーマン」「セロリ」「らっきょう」といった食材の効能、さらには紫蘇ジュースやあずき粥の作り方と健康効果まで詳しく解説します。
- ドラマ「しあわせは食べて寝て待て」第8話のあらすじと登場人物の動き
- 紫蘇ジュース・あずき粥の作り方と健康効果
- “旅立つ人”と“残る人”の対比から読み解くテーマ
「しあわせは食べて寝て待て」第8話あらすじ
第8話では、登場人物たちの決断と変化、そしてその背景にある親子関係や暮らしの価値観の違いが描かれました。
さとこを中心に、団地での出来事が展開され、旅立ちと残る選択の両方が丁寧に取り上げられます。
高麗との再会と団地に“残る”という選択
さとこ(桜井ユキ)は、団地の大規模修繕を控えたタイミングで、高麗(土居志央梨)と再会します。
高麗は、隣人の騒音が原因で引っ越しを考えていたものの、その問題が解決したため、団地に残ることにしたと話します。
穏やかに語る高麗の様子から、残るという決断が安心や納得を含んだものであるように感じられました。
八つ頭と反橋の旅立ち
八つ頭(西山潤)と反橋(北乃きい)は、新たな生活へ向けて団地を離れる日を迎えます。
さとこは本来、見送りに行く予定でしたが、鈴(加賀まりこ)の娘である透子(池津祥子)がやってきたため、見送りできなくなります。
旅立つ直前、八つ頭は髪を切り、反橋に「幸せになりましょう」と語りかけます。
反橋は「これ以上?」と冗談交じりに応じ、2人の絆の深さが表現される場面でした。
透子の突然の訪問と部屋の譲渡問題
さとこが住んでいる部屋について、鈴が「家賃の合計が300万円に達したら譲る」と伝えていたことを、透子は知らなかったと怒り、団地を訪ねてきました。
理事長も交えた話し合いの中で、将来の建て替え時には2000万円ほどの費用がかかる可能性があることが判明し、さとこはその現実に驚きます。
透子は最終的に部屋の譲渡を認め、「母をよろしくお願いします」とさとこに伝えて帰っていきました。
母・惠子との再会とすれ違い
帰宅したさとこの前には、母・惠子(朝加真由美)の姿がありました。
惠子は、さとこが難病であることを理解せず、「若いうちに治しちゃいなさいよ」と言ってきます。
また、古い団地に一人で住み続けることに対して「侘しすぎる」と言い、さとこを責める言葉が続きます。
持参してきた餃子、酢豚、ハンバーグ、エビグラタンなどの惣菜は、さとこの体調ではほとんど食べることができませんでした。
さとこは「気持ちがザワザワするでしょ。食べられないご馳走、わざわざ並べられてるみたいで」と語ります。
このセリフには、親の想いと現実のギャップに苦しむ感情がにじみ出ているように感じました。
ウズラとの再会と日常の中の自由
後日、さとこはスーパーでウズラ(宮崎美子)と偶然再会し、自宅に招かれます。
ウズラは、早期退職後に自由な生活を送りながら、趣味で曲作りをしていると話します。
さとこは、使い込まれたキッチンや手作りワンピース、紫蘇ジュースなどを目にして、暮らしの豊かさを感じている様子でした。
ウズラの「息子さんと同居するなんてお優しいお母さまなのね」といった言葉に、さとこは自分と母との関係を重ねているように見えました。
スマホを返しに訪れた母の家と記憶の回想
さとこは、惠子が置き忘れたスマホを届けに行く途中、庭で遊ぶ姪の姿を見かけます。
そこで、母が持ってきた惣菜が幼少期の自分の好物であったことを思い出します。
スマホには「ごめん」と書かれた付箋が添えられており、顔を合わせることなく、静かにその場を離れました。
さとこの姿を見て追いかける惠子。「丈夫に産んであげられなくて…」の言葉に思わず泣きそうになりました。
司の旅立ちと静かな別れの朝
透子は、司(宮沢氷魚)にお金を渡して鈴の世話を頼もうとしますが、司は断ります。
その後、司は団地を離れる決意をし、前夜にはさとこと鈴と3人で食卓を囲みます。
そして翌朝、さとこは小豆粥を炊いて鈴の部屋を訪ねます。
鈴は「司は…ここにはもう帰ってこないつもりね」と静かに語り、2人は粥を囲みながら朝を過ごします。
言葉少なに交わされるやりとりが、心の距離の近さを物語っていたように感じました。
登場した3つの食材の効能を紹介
第8話でも、所どころに食材の効能が紹介されました。
それぞれの食材には、身体の不調を和らげたり、気分を整える効果があるとされており、さとこの体調や心の状態を象徴するような存在として印象的でした。
ここでは、3つの食材の栄養的効能について解説します。
ピーマン|ビタミンC豊富で消化不良の改善に効果
ピーマンには、レモンに匹敵するほどのビタミンCが含まれています。
ビタミンCは、ストレスに対する抵抗力を高め、免疫機能を維持する働きがあります。
また、胃液の分泌を促進し、消化を助ける働きがあることから、食欲不振や消化不良の改善にも効果的とされています。
炒め物や煮物など、加熱調理しても栄養が比較的残りやすいため、日常的に取り入れやすい食材です。
セロリ|香り成分によるリラックス効果
セロリには、アピインやセネリンといった香り成分が含まれています。
これらの成分には、神経の高ぶりを抑え、気持ちを落ち着ける鎮静作用があるといわれています。
イライラや不安を感じるとき、セロリの香りを嗅ぐだけでもリラックス効果が期待されます。
さらに、カリウムや食物繊維も豊富で、高血圧の予防や整腸作用にも寄与します。
らっきょう|風邪予防や腸内環境の改善に役立つ
らっきょうには、硫化アリルという成分が豊富に含まれています。
この成分は、抗菌・抗ウイルス作用を持ち、風邪の予防に効果的とされています。
また、水溶性食物繊維(フルクタン)も豊富で、腸内の善玉菌を増やす働きがあります。
その結果、便通の改善や免疫力の向上といった効果も期待できます。
甘酢漬けで食べやすく加工されていることも多く、少量でもしっかり栄養を摂取できる優れた保存食です。
紫蘇ジュースの作り方と健康効果
第8話では、さとこがウズラの自宅を訪れた際に紫蘇ジュースが登場しました。
この紫蘇ジュースは、ウズラの暮らしぶりや人生観の象徴として描かれ、視聴者にも印象的なシーンとなりました。
ここでは、家庭でも作れる紫蘇ジュースの作り方と、その優れた健康効果について詳しく紹介します。
基本の紫蘇ジュースの作り方
使用するのは赤しその葉、水、砂糖、クエン酸の4つだけです。
以下は2リットル分の材料と手順です:
- 赤しその葉(正味)300g
- 水 2リットル
- 砂糖 500g〜1kg(お好みで調整)
- クエン酸 25g(またはリンゴ酢でも代用可)
① 赤しその葉をよく洗い、水を沸騰させた鍋で15分ほど煮出します。
② 煮出した液体をこし、鍋に戻して砂糖を加え、弱火で溶かします。
③ 火を止めてからクエン酸を加えると、美しい赤紫色に変化します。
④ 冷ましてから煮沸消毒した瓶に詰め、冷蔵保存すれば6ヶ月ほど保存可能です。
紫蘇ジュースに含まれる栄養成分とその効果
紫蘇ジュースには、ビタミンB群・ビタミンC・βカロテン・カリウム・カルシウムなどの栄養素が含まれています。
また、抗酸化成分であるアントシアニンやロスマリン酸も豊富です。
これらの成分によって、次のような健康効果が期待されます:
- 疲労回復(ビタミンB群、クエン酸)
- 美肌効果(ビタミンC、βカロテン)
- むくみ解消と血圧調整(カリウム)
- アレルギー緩和(ロスマリン酸)
- 目の健康維持(アントシアニン)
これらの効果は、日々の食生活の中で不足しがちな栄養を補う役割も果たしてくれます。
おすすめの飲み方とアレンジ
紫蘇ジュースは原液を4~5倍に水や炭酸で希釈して飲むのが一般的です。
以下のようなアレンジもおすすめです:
- 牛乳割り:酸でたんぱく質が凝固し、ヨーグルトドリンクのような口当たりに
- ゼリーや寒天:水とシロップを合わせて固めれば、涼やかなデザートに
- かき氷シロップやヨーグルトソースとしても応用可能
なお、空腹時の摂取はクエン酸が胃を刺激するため避け、食中または食後に飲むのがおすすめです。
爽やかな香りと色合いを楽しみながら、体の内側から整える飲み物として活用できます。
あずき粥の作り方と効能を紹介
第8話のラストシーンでは、さとこが小豆粥を炊き、鈴と一緒に朝を迎える場面が描かれました。
司が旅立ったことを静かに受け止める2人にとって、あずき粥は心と体を落ち着ける象徴的な料理として登場しています。
ここでは、家庭で作れるあずき粥のレシピと、小豆に含まれる栄養素・効能について詳しく解説します。
基本のあずき粥レシピ(2人分)
シンプルながらも身体に優しいあずき粥は、以下の材料で作ることができます:
- 米(洗米済)…1/2合
- あずき(乾燥)…20〜35g
- 水…800ml〜900ml
- 塩…小さじ1/3
① 小豆は洗ってから一度ゆでこぼしし、新たな水で30分程度、芯が残る程度に煮ます。
② 米を洗って吸水させ、小豆の煮汁と水を合わせて800ml程度に調整し、米と小豆を炊きます。
③ 吹きこぼれないよう弱火で30〜40分ほど煮たら、塩を加えて味を整え完成です。
好みでごま塩や塩昆布を添えると、風味がより引き立ちます。
小豆に含まれる栄養とその健康効果
小豆は栄養価が高く、特に女性や高齢者に嬉しい成分を多く含んでいます。
- 食物繊維:腸内環境を整え、便秘の改善に効果的
- 鉄分:貧血予防に役立ち、特に女性に必要なミネラル
- ビタミンB1:糖質代謝を促進し、疲労回復を助ける
- ポリフェノール:抗酸化作用があり、動脈硬化や老化の予防に期待
- カリウム:体内の余分な塩分を排出し、高血圧の予防に効果的
小豆はそのまま煮ると甘味がないため、お粥にしても主食と合わせやすい利点があります。
また、煮汁を捨てずに炊くことで、栄養成分を余すことなく摂取可能です。
行事食・季節の節目としてのあずき粥
あずき粥は、1月15日の小正月に食べる習慣がある日本の伝統食です。
この時期に食べることで、「邪気払い」や「無病息災」の願いが込められています。
また、年末年始の暴飲暴食で疲れた胃腸を休めるためにも最適で、体調を整える養生食としても知られています。
ドラマで描かれたように、人のいなくなった部屋に静かに広がる湯気と共に食べるあずき粥は、視聴者にも“喪失”と“回復”の象徴として深く響いたように思えました。
『しあわせは食べて寝て待て』第8話と“食”がつなぐ心の物語まとめ
第8話では、旅立つ者、残る者、それぞれの立場にある登場人物たちが、それぞれの思いや葛藤を抱えながら日常を過ごしていきました。
その中で、食事は単なる栄養補給ではなく、感情や記憶、関係性を繋ぐ媒介として深く機能していたことが印象的です。
さとこが人との関係に悩む中でも、食卓を囲む場面が必ず存在し、そこには言葉では伝えきれない想いが込められていました。
ささやかな食事が表す“絆”と“再出発”
母・惠子が差し入れた惣菜、小豆粥を囲んだ朝の時間、そしてウズラの紫蘇ジュース。
いずれも、誰かの思いや日々の営みが込められた食べ物でした。
特に印象深いのは、司の旅立ち前夜に3人で囲んだささやかな食卓です。
そこで交わされた多くない言葉と、さりげない料理の温かさが、別れを優しく包み込んでいたように思えました。
“食べて寝て待つ”という姿勢が導く静かな癒し
ドラマタイトルの「しあわせは食べて寝て待て」。
それは、焦らず、無理をせず、今の自分にできることを丁寧に繰り返すというメッセージでもあります。
華やかではないけれど、食べること、眠ること、その継続が生きる力につながるという、作品全体に流れる価値観が、この回でも静かに伝わってきました。
最終話への伏線と視聴者への問いかけ
司は旅立ち、惠子とは顔を合わせぬままさとこはスマホを届け、関係が完全に解決したわけではないものの、何かが確かに動き出したことを感じさせました。
さとこが紫蘇ジュースを飲み、小豆粥を炊いたように、誰かのための“ひと手間”が日常を少しずつ豊かにしていくのではないでしょうか。
食べることと向き合うこのドラマは、視聴者にも「あなたにとって、しあわせとは何か」を静かに問いかけているように思えました。
- 第8話は旅立ちと残る選択が交錯する感動回
- 親子や人間関係のすれ違いが丁寧に描写
- さとこの小豆粥が心の癒しとして登場
- 紫蘇ジュースは自由な生き方の象徴として描写
- ピーマン・セロリ・らっきょうの効能も紹介
- 紫蘇ジュースの作り方と効能を詳しく解説
- あずき粥のレシピと健康効果を紹介
- 食を通じた心のつながりが全体のテーマ
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