WOWOWオリジナルドラマ『災』第2話では、飲酒運転による過去を背負った倉本が主人公です。
彼は断酒を続けながら更生を目指していましたが、謎の同僚“あの男”多田の登場によって、静かだった日常が不穏に変化していきます。
本記事では『WOWOWドラマ『災』 第2話 ネタバレ あらすじ 考察』をテーマに、事件の真相と“あの男”の目的について深掘りしていきます。
- WOWOWドラマ『災』第2話の詳しいネタバレと結末
- “あの男”多田の正体と倉本との関係性の考察
- 第1話との共通点とシリーズ全体に張られた伏線
倉本を襲った“災い”とは?第2話のあらすじと結末(ネタバレ)
第2話は2022年・福岡を舞台に、かつて飲酒運転による死亡事故を起こした男・倉本の更生の物語から始まります。
過去の過ちを悔い、断酒を誓って生き直そうとする彼の前に、謎の同僚・多田が現れることで、物語は思わぬ展開へと進んでいきます。
断酒と更生の日々、そしてかすかな希望。
だがその希望は、再び「災い」として牙を剥くのです。
罪を背負いながら生きる倉本
かつてトラック運転手だった倉本(松田龍平)は、酒気帯び運転で人命を奪い服役しました。
出所後は整備士として復職し、断酒を貫きながら、妻・加奈(佐藤みゆき)との再会を望む日々を送っていました。
しかし、妻は戻らず、義母の育子(神野三鈴)にも面会を断られ、倉本は孤独に耐える生活を続けていました。
日常の中に潜む“災”の気配
ファミレスで水だけを頼み、酒の誘惑に耐える倉本の姿は、視聴者の胸を打ちます。
店内でビールを楽しそうに飲む客を横目に、倉本は「ビール…いや、やっぱりコーヒーで」と注文。
苦しみながらも前を向く彼の姿は、希望の光のように感じられました。
“あの男”多田との出会い
ある日、職場に現れたのが新しい同僚・多田(香川照之)。
彼は突然「飲まないんすか?」と倉本に話しかけ、コーヒーを注文しながら横に座ります。
距離の詰め方があまりにも唐突で異様ながら、倉本は戸惑いつつも受け入れていきます。
倉本と多田の“奇妙な昼食”
ある昼下がり、会社の車庫でうなぎ弁当を一緒に食べる倉本と多田。
「断酒を続けてて偉いっすよ」としみじみ語る多田に、倉本は少し照れながらも礼を返します。
そのとき、多田はふいにこんな言葉をつぶやきます。
「笑わないで欲しいんだけどさ、俺ね、誰か別の人になりたっていつも思ってるの。そう、空っぽだからさ、俺」
その言葉には深い闇と、自己否定のにおいが漂っていました。
倉本は静かに「今のままでも充分ですよ」と返し、共感を示します。
写真と“災い”の種
会話の流れの中で、多田は唐突に「奥さん、どんな人なんすか?写真見せてよ」と尋ねます。
倉本は戸惑いながらも、スマホに保存された加奈の写真を差し出します。
その写真を見た瞬間、多田は「すごい美人じゃん」と何度も繰り返し賞賛。
このやりとりが、後の悲劇を暗示する重要な布石だったのではないかと感じさせます。
復帰祝いと“写真に写らない男”
ほどなくして、倉本のドライバー復帰が決定します。
職場仲間たちは居酒屋でささやかな祝賀会を開きますが、倉本は一切酒に手をつけませんでした。
集合写真を撮る場面で、多田はカメラ役を買って出て、自分は写真に写らない選択をします。
この行動は第1話の塾講師の時と同様であり、“あの男”の共通の特徴として際立ちます。
不穏な夜と終わりの兆し
祝宴のあと、倉本はトラックに乗り込み、静かにお守りを吊るします。
何かを乗り越えたかのようなその姿。
しかしその背後では、すでに運命の歯車が狂い始めていたのです。
妻の死と断酒の決壊
やがて、加奈の遺体が河川敷で発見され、警察は自殺と判断。
しかし義母・育子は激しく反発し、「あの人が何かした」と倉本を強く疑います。
その責めに心が折れた倉本は、ついに酒を口にし、断酒の誓いを破ってしまいます。
トラックにはねられるラスト
泥酔状態のまま、フラつきながら夜道を歩く倉本。
突如、横から来たトラックにはねられてしまうという衝撃的なラストが訪れます。
その瞬間、彼の「再出発」は完全に潰えたのです。
静かに去る“災いの源”
同じ頃、多田はいつものファミレスで静かにコーヒーを飲み終え、立ち去ります。
まるで何事もなかったかのように、災いを背負わせた男はただ静かに去っていきました。
「誰か別の人になりたい」と言ったその男が、本当になったのかどうか。
それを知る術は、もはやありません。
“あの男”多田の正体と目的を考察
第2話に登場する多田(香川照之)は、単なる同僚の枠を超えた異質な存在感を放っていました。
その一挙手一投足には意味が込められており、倉本の人生に災いをもたらす影の主役としての姿が浮き彫りになります。
異常なまでの親しみと入り込み
多田は初対面にもかかわらず、倉本に強引に接近してきます。
唐突に「飲まないんすか?」と話しかけ、「倉ちゃん」と馴れ馴れしく呼ぶその態度は、社交的というよりも意図的な侵入を感じさせます。
他人の領域に踏み込む行動は、彼の本質が“災い”そのものであることを象徴しています。
加奈の写真を求める異常な執着
倉本との食事中、多田は突然「奥さんの写真が見たい」と切り出します。
この要望は一見無邪気に見えますが、その後に起こる出来事の引き金となった可能性が高い重要なシーンです。
写真を見た多田は「すごい美人」と不自然なまでに繰り返して絶賛し、強い執着心を示します。
これは“美しいものへの所有欲”あるいは“壊したい欲求”を暗示していたのではないでしょうか。
「誰か別の人になりたい」という危うさ
食事中、多田は静かにこう語ります。
「俺ね、誰か別の人になりたいって、いつも思ってるの。空っぽだからさ、俺」
この発言は彼の根深い自己否定を表すものであり、同時に、“他者に成り代わる”願望を含んでいるように聞こえます。
つまり彼は、他人の人生を奪うことで自分を満たそうとしているのかもしれません。
写真に写らない“存在しない者”
復帰祝いの場面では、多田は集合写真に自ら写ろうとせず、撮影係に回ることを選びます。
これは第1話と共通する行動であり、彼の「証拠を残さない生き方」の象徴です。
災いだけを残して、自分の存在を消す──まるで“影”のような男です。
加奈の死と倉本の転落を導いた存在
多田が加奈の死に直接関わった描写はありません。
しかし、倉本の精神を揺さぶり、写真を見て執着し、周囲から信頼を得る彼の様子から、明確に誘導したと推察できる描写が積み重なっています。
彼の存在によって、倉本は再び酒に手を出し、自滅の道へ進んだのです。
“災い”を運ぶ象徴的な存在
第1話の塾講師、第2話のドライバーと、多田は毎回職業を変えて登場します。
しかしその目的は一貫して、誰かの人生を静かに壊すことに見えます。
人懐っこい笑顔の裏にあるのは、深い闇。
彼は、「親切そうな仮面をかぶった災いそのもの」なのかもしれません。
そしてその災いは、次回もまた、誰かのもとへ忍び寄ってくるのです。
第1話との共通点とシリーズ全体への伏線
『災』第2話を観た視聴者の多くが感じたであろうのは、第1話との共通点の多さです。
物語は毎回主人公が異なる構成を取っているにもかかわらず、“あの男”の存在を軸に、繰り返されるモチーフや演出が伏線として機能しているのが特徴です。
共通する“自転車”と“移動”の描写
第1話では、自転車で海へ向かうシーンが印象的に描かれました。
第2話でも、倉本が自転車をこいで移動するシーンが登場します。
この演出は、キャラクターの心の揺れや孤独、逃避と再出発の象徴として使われているように見受けられます。
また、「移動=人生の転換点」を示す伏線としての役割も感じられます。
“断酒”と“節制”がもたらす緊張
第1話では、節制的な暮らしの中に突然忍び寄る“異物”が物語を動かしました。
第2話でも、倉本の断酒という自制の象徴が、“あの男”の介入により徐々に揺らいでいきます。
理性と誘惑のせめぎ合いという共通した構造が、不穏な緊張感を保ち続けているのです。
“写真に映らない”という共通性
多田は、第1話でも第2話でも集合写真に決して写ろうとしません。(25:00/50:27)
これは彼が“実在しない者”あるいは“記録に残らない災いの象徴”である可能性を示唆しているようです。
物理的には存在していても、誰の人生にも証拠を残さない。
それが“災い”の形だとしたら──納得のいく描写です。
接近→信頼→破壊という構造
どちらのエピソードにも共通するのは、“あの男”がターゲットに親しみやすく接近し、信頼を得た上で精神的に崩壊させていく構造です。
それは偶然ではなく、あらかじめ計算された“破壊のための接近”のように見えます。
信頼の皮を被った災厄──それが多田という存在の本質なのかもしれません。
シリーズ全体への伏線:6つの顔を持つ“あの男”
第1話では漁師と塾講師、第2話ではトラック運転手。
そして次回以降も異なる職業・地域・年に登場することが示唆されています。
つまり多田(あるいは“あの男”)は、6話を通じて“6つの人生”を巡る存在であり、それぞれに異なる災いをもたらす使者なのです。
“あの男”は誰なのか──根本の謎
現時点で、“あの男”が一人の人物なのか、ある種の象徴的存在なのかは明言されていません。
しかし、彼の行動には常にパターンと目的性があり、人の心の弱さや隙を見抜く能力が描かれています。
もしかすると、“あの男”はこのシリーズを通して、人間の本質や業を描くための媒体なのかもしれません。
WOWOWドラマ『災』第2話ネタバレあらすじと考察まとめ
WOWOWオリジナルドラマ『災』第2話では、過去に罪を犯した男・倉本の更生と転落、そしてそこに現れる“あの男”の存在が、不穏かつ圧倒的なリアリティをもって描かれました。
断酒を守り続ける姿、信頼を取り戻す過程、そして人生の希望が見え始めたその瞬間に襲う災い。
この構造は、シリーズを通じた「絶望の連鎖」の一環であり、第2話はその象徴的なエピソードとなりました。
倉本の物語は“再起”ではなく“破壊”のプロローグだった
視聴者の多くが感じたように、倉本は真面目に生きようとしていた人物です。
だからこそ、彼が再び崩れていく様子は非常に痛々しく、残酷に映りました。
しかしそれは、“あの男”が接近した時点で避けられない運命だったのかもしれません。
“あの男”が浮かび上がらせる、人間の弱さ
多田は決して暴力的でも強引でもありません。
むしろ、優しさと共感で倉本に近づき、静かに心を侵食していくという手法を取ります。
それがリアルであり、現代的な“災い”の象徴として、非常に恐ろしい存在になっています。
“誰か別の人になりたい”という願望は、あなたの隣にも
「誰かになりたい」「空っぽだから」──多田が口にしたこの言葉は、特別な人間だけの感情ではありません。
誰しもが、不完全さや不満、他人への憧れを抱える瞬間があるはずです。
ドラマ『災』は、そんな私たちの中にある脆さに、鋭くナイフを突き立ててくる物語なのです。
次回予告が恐ろしく待ち遠しい
第2話の衝撃的なラストを経て、次に“あの男”が現れるのはどこなのか。
どんな職業、どんな地域、どんな犠牲者が次のターゲットとなるのか。
それを考えるだけで、このシリーズが単なる連続ドラマで終わらない深さを持っていることがわかります。
『災』は、静かに心を侵すドラマである
音もなく忍び寄るように、心のスキマに入り込み、破壊をもたらす“災い”。
このドラマは、派手な展開ではなく、日常に潜む恐怖と、ふとした選択の重みを見事に描いています。
第2話を観終えた今、私たちはすでに“災い”の連鎖に巻き込まれているのかもしれません。
- 倉本は過去の飲酒事故と向き合い断酒を続けていた
- 多田という男が倉本の前に現れ、心に入り込む
- 加奈の死がきっかけで倉本は再び酒に溺れる
- 倉本はトラックに轢かれるという衝撃の結末
- 多田は写真に写らず、静かに災いを残して去る
- 第1話と共通する演出と“あの男”の謎が深まる
コメント
考察お疲れ様です、また有難うございます。
元妻の死因は不明ですね、
復縁を迫った倉本との間で事件が起きたのか?
はたまた根本が関与しているのか?
ところで倉本(元夫)の死因ですが、
会社の後輩ドライバー(女)に轢かれたのではないですか?
事故後に車を降りた女性の声の場面と昼間の事故なのに倉本に電話が繋がらない(夜間?に上司が電話)場面で後輩の不安気な様子から、後輩が轢き殺して更に遺体を遺棄したと思いました。
コメントと考察ありがとうございます。
元妻の死因で倉本が関わった可能性は低いでしょうね。
そうなら酒を飲んで荒れる理由はないでしょうから。
元妻も倉本も「あの男」の関与が自然だと思っています。
ただそれは、人として殺人を犯したわけではなく、災いの象徴として
象徴なので、写真には写らないのではないでしょうか?
最後に明らかになるのか、視聴者にゆだねるのか注目ですね!