ドラマ『アナログナース~デジタルってなんなんだよ!?~』を見ていて、松下奈緒さん演じる那須田灯(なすだ・あかり)だけがスカートのナース服を着ていることに気づいた方もいるのではないでしょうか。
ほかの看護師たちが現代的な制服を着ている中、灯のナース服はどこか昔懐かしい印象があります。
灯はフリーランス看護師なので、自分で制服を選んでいるのでしょうか。それとも、アナログな生き方を大切にする人物だからこその演出なのでしょうか。
実は松下奈緒さんは、今回のナース服について、2021年の『ドクターX』に出演したときと同じ衣装だと明かしています。
この記事では、公式に確認できる事実、実際の病院の制服事情、最近の医療ドラマとの違いを調べながら、灯だけがスカートを着ている理由と、衣装に込められた意味を考察します。
- 灯だけスカートのナース服を着ている理由と有力な考察
- 実際の病院の制服ルールと最近の医療ドラマの衣装事情
- 5年前の『ドクターX』と灯のナース服がつながる事実
『アナログナース』灯だけスカートのナース服なのはなぜ?
『アナログナース』の主人公・那須田灯は、百井メディカルセンターで働くフリーランス看護師です。
灯だけが昔ながらのスカート型のナース服を着ている理由について、2026年10月30日時点で、制作側が直接説明した公式コメントは確認できていません。
ただし、灯のナース服が5年前の『ドクターX』出演時と同じ衣装であることは、松下奈緒さん自身が明かしています。
さらに、灯の働き方や作品のテーマを考えると、スカート姿には次の3つの意味を読み取ることができます。
- 昔ながらの看護師像を通じて、灯のアナログな価値観を表現している
- フリーランス看護師として、自分で選んだ制服を着ている可能性がある
- 『ドクターX』から変わらない灯という人物を印象づけている
このうち、衣装の再使用は確認された事実ですが、それ以外は作品の設定や現実の医療現場をもとにした考察です。
昔ながらのナース服は灯のアナログな生き方を表現?
灯は、デジタル化が進む医療現場でも、自分自身の五感や経験を大切にする看護師です。
手書きのノートを使い、スマートフォンを持たず、給料も現金で受け取ろうとするなど、徹底したアナログ主義を貫いています。
一方、百井メディカルセンターでは、AIやデジタル技術を活用した医療改革が進められています。
こうした環境で働く灯が、ほかの看護師とは異なる昔ながらのナース服を着ていることには、人物の性格を視覚的に伝える効果があると考えられます。
かつて一般的だったスカート型のナース服は、現代ではパンツスタイルやスクラブに主流の座を譲っています。
その意味で、灯の服装はデジタル化に流されず、自分が大切だと思うものを守り続ける姿勢と重なります。
筆者は、灯のスカート姿は、単に古いものを好むというより、時代が変わっても自分の信念を簡単には変えない人物であることを表しているように感じます。
ただし、これは作品の設定と衣装を照らし合わせた解釈であり、制作側がその意図を明言したわけではありません。
灯はフリーランス看護師だから自分の制服を着ている?
もう一つ考えられるのが、灯の勤務形態による違いです。
灯は百井メディカルセンターに所属する一般的な常勤看護師ではなく、フリーランスとして働いています。
そこで気になるのが、病院の制服は必ず支給されるものなのか、そして看護師が自分の好みで選ぶことはできるのかという点です。
病院から制服が支給されないケースもある
実際の病院を調べると、看護師の制服について意外な事実が分かりました。
東京都板橋区にある明理会東京大和病院では、看護師採用サイトの「よくあるご質問」に、病院から白衣の貸与はないと明記されています。
ただし、制服の色には指定があり、白・ネイビー・ボルドーの範囲であれば、看護師自身が好きなデザインの白衣を着用できる仕組みです。
つまり、実際の医療現場にも、病院が定めた条件を守りながら、自分で制服を選べるケースが存在するのです。
出典:明理会東京大和病院 看護師採用サイト「よくあるご質問」
この例を考えると、灯が自分で選んだナース服を着ていても、必ずしも現実離れした設定とはいえません。
もちろん、同病院の制度が百井メディカルセンターにも当てはまるわけではありませんが、灯の制服を考えるうえで参考になる実例です。
フリーランスなら制服を自由に選べるのか?
ただし、フリーランスだから必ず好きな制服を着られるというわけではありません。
病院によっては、勤務する看護師全員に指定された制服の着用を求める場合があります。
特に医療現場では、衛生管理や安全性、職種の識別などが重要になるため、勤務形態に関係なく服装のルールが設けられることがあります。
したがって、灯が自分の制服を持ち込んでいるという説を考えるには、百井メディカルセンターでそれが認められているという前提が必要です。
第2話までの情報では、灯が制服を自分で購入したのか、病院から特別に着用を認められているのかは明らかになっていません。
それでも筆者は、自由な働き方を選んだ灯が、制服についても自分の考えを貫いているという解釈には納得できる部分があると感じます。
制服の違いは、病院のルールから完全に自由という意味ではなく、灯という人物の独立した姿勢を印象づける演出なのかもしれません。
実際の病院ではスカートのナース服が減っている?
灯のスカート姿が目を引く背景には、実際の看護師の制服が大きく変化してきたことも関係しています。
かつての看護師といえば、白いワンピース型のナース服にナースキャップという姿が広く知られていました。
しかし現在は、動きやすさや機能性を重視したパンツ型やスクラブが広く使われています。
ワンピース型からパンツ型に変わった理由
大阪医科薬科大学が公開している「看護師白衣の変遷」によると、同大学附属病院では以前、ワンピース型の白衣が使われていました。
その後、機能性を優先したパンツスタイルが増え、同病院でも2007年にパンツスタイルが導入されています。
看護師の仕事では、患者を支えたり、ベッドから車いすへ移乗を介助したり、緊急時に素早く動いたりする必要があります。
そのため、しゃがむ、かがむ、歩くといった動作をしやすいパンツスタイルは、実用面でメリットがあります。
また、ナースキャップも院内感染防止などの観点から徐々に廃止され、現在ではほとんどの病院で使用されなくなったと同大学は説明しています。
つまり、看護師の制服は、昔ながらのイメージを残すためのものから、医療現場での機能性を重視するものへと変化してきたのです。
ただし、スカート型の制服が全国の病院で完全になくなったわけではありません。現在の全国的な着用割合を示す最新の統計も確認できませんでした。
最近の医療ドラマでもパンツ・スクラブ型が中心
実際の病院だけでなく、最近の医療ドラマでもパンツスタイルの医療ウェアが使われています。
例えば、2024年放送の『となりのナースエイド』では、医療ウェアメーカーのナガイレーベンが衣装提供を行っています。
衣装提供情報には、スカイブルーの特注上衣とズボンのほか、スクラブとパンツの組み合わせが掲載されています。
なお、『となりのナースエイド』で川栄李奈さんが演じた桜庭澪は、正確には看護師ではなく看護補助者です。
また、『ザ・トラベルナース』シリーズでも、フリーランス看護師を演じる人物たちがパンツスタイルの医療ウェアを着用しています。
これらの作品は近年の医療ドラマでパンツ型やスクラブ型が使われている例ですが、すべての登場人物の衣装が同じという意味ではありません。
それでも、こうした作品と比較すると、灯のクラシックなスカート姿がより印象的に見えてきます。
特に『ザ・トラベルナース』にもフリーランス看護師が登場することを考えると、灯だけがスカートを着ている理由を、フリーランスという勤務形態だけで説明するのは難しそうです。
灯のナース服は5年前の『ドクターX』と同じだった!
ここまで制服の意味や現実の医療事情を考えてきましたが、灯の衣装について最も確かな情報は、松下奈緒さん自身の発言にあります。
実は『アナログナース』の灯は、今回初めて登場したキャラクターではありません。
2021年放送の『ドクターX~外科医・大門未知子~』第7シリーズ第5話に、すでに登場していました。
松下奈緒が制作発表で明かした衣装の事実
2026年10月14日に行われた『アナログナース』の制作発表会見で、松下奈緒さんは、今回着用しているナース服が5年前の『ドクターX』出演時と同じ衣装であることを明かしました。
2021年の『ドクターX』では、灯はフリーランス看護師として大門未知子(米倉涼子)と関わる人物として登場しています。
松下さんは会見で、当時と同じ衣装を着るとさまざまな思い出がよみがえることや、大門先生と撮影した当時を思い出すことを語っています。
出典:ENCOUNT「松下奈緒、5年前の『ドクターX』と同じ衣装着用」
この発言から、『アナログナース』のナース服は、灯というキャラクターを過去作から引き継ぐ衣装であることが分かります。
なお、『アナログナース』は『ドクターX』『ザ・トラベルナース』と世界観を共有する作品として制作されています。
3作品のつながりや那須田灯と那須田歩の関係については、以下の記事で詳しく考察しています。
関連記事:『アナログナース』第1話|『ドクターX』『ザ・トラベルナース』との関係と姉弟説を考察
5年間変わらない制服が意味すること
ここで注目したいのは、灯が5年前と同じナース服を着ているという事実です。
『ドクターX』から『アナログナース』へと舞台が変わり、医療現場のデジタル化も進んでいます。
それでも灯は、以前と同じような姿で登場します。
もちろん、過去作と同じ人物だと視聴者に伝えるため、制作側が衣装を継続したという実務的な理由も考えられます。
しかし、作品のテーマに目を向けると、そこにもう一つの意味を重ねて読むことができます。
周囲の環境が変わっても、灯は自分の経験や五感を信じる看護師であり続けているのです。
その姿勢を考えると、5年間変わらない制服は、灯の変わらない信念とよく重なります。
筆者は、スカート型という少し昔懐かしいデザインだけでなく、以前から同じ衣装を着続けていることにも、灯らしさが表れているように感じました。
新しいものを何でも否定するのではなく、自分にとって大切なものを簡単には手放さない。
そんな灯の生き方が、ナース服にも表現されていると考えると、衣装の違いが単なる見た目以上の意味を持っているように思えます。
灯のスカートには3つの意味が重なっている?
ここまで調べた内容を整理すると、灯がスカートを着ている理由を一つに限定する必要はないと考えられます。
現実の医療現場の制度、灯自身の価値観、そして過去作からの衣装の継続という、異なる3つの視点があるからです。
制服の自由・アナログ主義・過去作とのつながり
まず現実的な説明として、フリーランス看護師の灯が、自分で選んだ制服を着ている可能性があります。
実際に制服を自由に選べる病院があるため、この設定そのものは不自然ではありません。
ただし、百井メディカルセンターで灯に制服の自由が認められているかは分かっていません。
次に、作品の演出として、昔ながらのスカート型のナース服が灯のアナログな生き方を表現している可能性があります。
電子カルテやAIを重視する病院にあって、灯は自分の目で患者を見て、手で触れ、五感を働かせることを大切にしています。
その違いを、ほかの看護師たちと異なる制服によって視覚的に強調しているとも読めます。
そして、最も確かな事実が『ドクターX』時代の衣装を再使用していることです。
ここまでを合わせると、自分の信念で働く灯だからこそ、昔ながらの制服が似合い、その姿を過去作から引き継ぐことにも意味が生まれているという解釈ができます。
もちろん、制作側がそこまで意図していたかどうかは明らかではありません。
ただ、灯の人物設定と衣装の特徴、さらに5年前からの継続性が自然につながることは、作品を考察するうえで興味深いポイントです。
第1話で灯が暮らす看護師寮「シアリア寮」に歴史ある洋館が使われていることも、古いものが持つ魅力という観点では気になる演出です。
こちらは制服とは別のロケ地考察ですが、旧尾崎テオドラ邸が撮影場所に選ばれた背景について、以下の記事で紹介しています。
関連記事:『アナログナース』第1話ロケ地|看護師寮「シアリア寮」は旧尾崎テオドラ邸
灯の制服が示しているのも、単なる懐古趣味ではなく、新しい時代になっても失いたくない価値なのかもしれません。
『アナログナース』灯の制服がスカートの理由まとめ
『アナログナース』で那須田灯だけがスカート型のナース服を着ている理由について調べてみました。
制作側からスカートを選んだ直接の理由は明かされていませんが、松下奈緒さんが2021年の『ドクターX』と同じ衣装を着用していることは確認できました。
また、実際の医療現場ではパンツ型やスクラブが広く使われる一方、自分で制服のデザインを選べる病院も存在します。
このことから、灯がフリーランスとして自分の制服を選んでいるという考察にも、現実的な可能性があります。
ただ、筆者が最も興味深いと感じたのは、昔ながらのナース服と灯のアナログな生き方が重なって見えることです。
医療技術や働く環境が変わっても、自分が信じる看護を大切にする灯。その姿勢が、ほかの看護師とは違う制服にも表れているように感じます。
5年前と同じナース服を着ている事実を知ると、灯のスカート姿が、これまでとは少し違って見えてくるのではないでしょうか。
- 灯だけがスカート型の制服を着る直接の理由は、公式には明らかになっていない
- 松下奈緒さんは2021年の『ドクターX』と同じナース服を再使用していると明かしている
- 現代の医療現場では、機能性を重視したパンツ型やスクラブが広く使われている
- 実際に、指定された色の範囲で好きな制服を選べる病院も存在する
- フリーランス看護師だから必ず制服を自由に選べるわけではない
- 灯のクラシックなナース服は、アナログな価値観を表現していると考えられる
- 5年前から変わらない衣装には、灯の変わらない信念を重ねて読むことができる


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