「イグナイト」第9話感想&考察|バス事故の悲劇から生まれた「争いは起こせばいい」の原点とは?

2025年春ドラマ
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2025年春ドラマ『イグナイト』第9話は、シリーズの“エピソード0”とも言える決定的な回となりました。

佳奈と父のLINEのやり取りから始まり、事故の発生、隠蔽工作、そして、娘・佳奈の死をきっかけに、主人公・轟の人生と信念が大きく動き出す様子が描かれ、視聴者の心を大きく揺さぶりました。

この記事では、あらすじを振り返り、バス事故当日の真実「争いは起こせばいい」の誕生背景やピース法律事務所設立の意味までを考察します。

この記事を読むとわかること

  • イグナイト第9話のあらすじを振り返り
  • 「争いは起こせばいい」の言葉に込められた意味と背景
  • ピース法律事務所誕生までの経緯と轟の覚悟

『イグナイト』第9話あらすじ

忙殺される日々の中で父と娘がすれ違う

5年前、轟は高校生の娘・佳奈と二人暮らしをしていた。

大手のHY法律事務所で働く弁護士として、彼は日々多忙を極め、佳奈が作った朝食も取らずに慌ただしく出勤する毎日。

上司や同期の桐石からは、「利益になる案件を担当しろ」「うまく立ち回れ」と言われていた。

裁判での勝利と、浅見の厳しい一言

轟は、いじめ問題を扱った裁判で、天敵・千賀と対峙。

シュレッダーにかけられた日誌をゴミ箱から見つけ出し証拠として提出し、勝訴を勝ち取る。

傍聴していた浅見からは、「弁護士としては申し分ないが、父親としてはどうなのか」と問いかけられる。

誕生日に向けたささやかな準備

夜遅く帰宅した轟は、ソファーで寝ている佳奈を見て、心に引っかかりを覚える。

もうすぐ迎える3月19日の佳奈の誕生日に向けて、プレゼント選びに頭を悩ませ、家でパーティーをしようと計画していた。

事故発生の朝、それぞれの出発

誕生日当日、轟は佳奈を見送り、佳奈は学校から宇崎裕生の運転するバスに乗る。

裕生は妻の作った弁当を食べ、勤務に向かっていた。

轟は仕事を桐石に託し、パーティーの準備のために早めに帰宅する。

暴走するバスと、浅見の追跡

佳奈が乗ったバスが突然暴走。裕生はブレーキを踏み続けるが止まらず、乗客たちはパニックに陥る。

浅見が乗っていた警察車両は暴走するバスを目撃し、すぐさま追跡を開始。

バスはトラックと激突し横転、直後に爆発を起こす。

娘の死、そして明かされる陰謀

轟は佳奈の帰りを待ちながら誕生日の支度をしていたが、警察からの連絡で現場へ。

そこにあったのは、佳奈の遺体だった。

浅見は事故現場で騒ぐ男性を見かける。

国の計画と情報操作

石倉は音部と電話で話し、秘書に「音部と湊市はもう使えない、切っていい」と指示。

警視長副総監から「処理は問題なく行われた」と連絡が入り、石倉は「この国の未来がかかっている」と語る。

事故の真相を知った轟の怒り

佳奈の葬儀後、浅見と桐石が訪れ、事故の裏にある改ざんや薬物デマの存在を轟に告げる。

「佳奈は何も悪くなかった。なぜ陰謀に巻き込まれなきゃならなかったんだ!」と怒る轟に、浅見は「あなたが弁護士としてそいつらを葬ってほしい」と依頼。

弁護士としての覚悟と事務所の退職

轟はHY法律事務所に対して、湊市と警察に開示請求を依頼するが、「事務所を潰すわけにはいかない」と断られる。

「だったら俺は辞める」と事務所を去り、自らの名前で開示請求を行うも、得られた資料は黒塗りばかりだった。

宇崎家との対話、そして新たな信念

宇崎の妻・純子の手紙を読み、轟は彼女の元を訪問。

誹謗中傷にさらされる中、「弁護士に相談を」「監視カメラをつけましょう」とアドバイスを送る。

「法律を守って真っ当に生きる人間を守るのが弁護士の仕事だ」と語り、信念を新たにする。

ピース法律事務所の誕生

佳奈のために用意していたプレゼントを見て、轟は決意。

「争いは、起こせばいい。」という言葉とともに、ピース法律事務所を設立。

浅見の紹介で伊野尾が加わり、元刑事の高井戸も仲間となる。

新たな仲間と、未来への布石

司法試験合格者リストに宇崎凌の名前を見つけた轟は、弁当屋を訪問。

純子から凌の夢や苦労を聞き、名刺を手渡し、事務所に招く。

宇崎凌はピース法律事務所を訪れ、新たな一歩を踏み出す。

巨大な敵に立ち向かう決意

石倉の秘書が轟の動きを報告するも、「好きにさせておけ」と突き放す石倉。

一方、轟は事務所の仲間たちに事故の全貌を明かし、

「これまでの裁判はすべてこのため。リスクは高いが、覚悟はあるか」と問いかけ、仲間たちの決意を確認する。

桐石の言葉「お前の前からもう大切なものはなくならない」に力を得て、「これからが本当の勝負だ」と宣言するのだった。

バス事故当日に起きた真実とは?

娘と父の当日のLINEでの会話

事故当日、轟は仕事を終え、娘・佳奈にLINEでメッセージを送ります。

そのやり取りは、親子の日常的で温かい関係が垣間見えるものでした。

しかし、最後のメッセージの直後、佳奈が乗ったバスは暴走し、取り返しのつかない悲劇が起こってしまいます。

お父さん:仕事終わり!
お父さん:色々買ってから帰るわ

お父さん:最高の誕生日にしてやるからな!
佳奈:はいはいー

お父さん:帰りの時間、わかったか?
佳奈:今、バス あと20分くらい

このやり取りからわかるように、父・轟は佳奈のために誕生日の準備をしていた最中でした。

何気ない日常の一コマが、最期の会話となってしまったという事実が、多くの視聴者の胸を締めつけました。

バス事故発生の状況

佳奈が乗ったバスに異常が発生。突然ブレーキが効かなくなり、バスは制御を失って暴走を始めます。

裕生は必死にブレーキを試みますが、止めることはできず、バスは激しく揺れながら市街を疾走

この異常を察知した浅見が乗っていた警察車両が、バスの後を追い始めます。

浅見が目撃した爆発の瞬間

暴走するバスは最終的にトラックに激突し横転。

現場に到着した浅見が確認する間もなく、バスは炎上し、爆発を起こします。

消防と救急が出動し対応にあたるものの、乗客の安否は絶望的な状況でした。

隠蔽・改ざんされたバス事故

事故後、所轄が集めた資料はすべて本庁に没収され、その後に返却された書類は改ざんされていたことが判明します。

そこには、運転手・裕生が「副作用の強い薬を服用していた」とする記述があり、事故の責任を一方的に裕生に押しつける内容になっていました。

浅見と桐石は、「あの事故はただの交通事故ではなく、意図的に操作された事件」と断言します。

市長・音部の不可解な行動

湊市の市長・音部は事故当日、出張を急遽切り上げて帰還し、速やかに関係機関と連携。

その異常な行動に、轟たちは「事故への関与、または事故を隠蔽する必要があった」と疑いを深めます。

さらに、石倉国交大臣と音部のやり取りから、「この国の未来のための計画」が裏で進んでいたことも浮かび上がります。

バス事故に巻き込まれた運命のいたずら

事故に遭遇した佳奈は、本来であれば友人と誕生日を祝う予定でした。

もし約束通りに友人といたら、事故には巻き込まれなかったかもしれません。

また、バスの時間にわずかでも遅れていたら助かっていた可能性もあります。

一瞬の選択が運命を分けたこの悲劇は、ただの偶然ではなく、組織的な陰謀と人間の思惑が絡む深い闇を浮き彫りにしました。

明らかになった過去から考察

千賀光一との因縁の始まり

5年前、轟は大手のHY法律事務所に所属する弁護士として、いじめをテーマにした民事裁判を担当していました。

そのとき対峙していたのが、現在も因縁の相手として描かれる千賀光一です。

裁判では、千賀が提出を妨害した証拠を、轟がシュレッダーにかけられた日誌をゴミ箱から発見して提出し、見事に勝訴。

この裁判をきっかけに、千賀は轟を強く敵視するようになります。

ピース法律事務所の名前の由来を考察

「ピース法律事務所」という名称の由来は、劇中で明言されていません

しかし、佳奈の誕生日に贈るはずだった鳩のインテリアが登場し、その後、轟がこの事務所を立ち上げる場面が描かれていることから、

「ピース=平和」と「鳩」というモチーフがつながっている可能性が高いと思われます。

鳩は平和の象徴であり、愛する娘のために用意していた贈り物が、轟の新たな正義の原点となったのかもしれません。

「争いは、起こせばいい。」という強い言葉とは裏腹に、そこには優しさと平和を願う気持ちが込められているようにも感じられます。

ピース法律事務所という名には、家族を奪われた悲しみと、それでもなお人を守ろうとする意志が宿っているように見えます。

争いは起こせばいいの原点を考察

「争いは、起こせばいい」という言葉は、ピース法律事務所のモットーであると同時に、轟自身の決意を象徴しています。

この言葉には、理不尽に対して声をあげることを恐れない、という意思が込められていますが、それは同時に、

先の長い戦いに臨むにあたって、事務所の存在を維持するための現実的な策でもあります。

轟は、大手法律事務所を辞めてから、金銭的な見返りの少ない案件ばかりを引き受けてきました。

それは彼の生来の正義感、弁護士としての気質に根ざすものです。

しかし、この信念を形にしようと強く思うようになったきっかけは、宇崎の母・純子との出会いだったといっても過言ではありません。

誹謗中傷に苦しみながらも誰にも頼れずにいた純子に対して、轟は「事故と誹謗中傷は別」と断じ、

「やられたら、ちゃんとやり返しましょう」「生きてください」と声をかけました。

その瞬間、轟はただの「弁護士」から、声を上げられない人々の代弁者となる覚悟を決めたのです。

そしてこの時から、「争いは、起こせばいい」は、単なる信条ではなく、現実を変えるための行動理念として息づくことになります。

SNSの反応

第9話放送後、SNSやニュースのコメント欄では轟の感情表現やバス事故の描写に関する多くの声が寄せられました。

Yahoo!ニュースのコメントには、

「第1話に繋がるエピソード0として最高の出来だった」と物語構成を称賛する意見が目立ち、

また、轟と佳奈の関係性についても、

「不器用だけど娘思いな父親像が泣けた」「誕生日のプレゼントに悩む姿が唯一和めた」といった温かな感想が投稿されていました。

バス事故については、

「暴走シーンの迫力がすごかった」「横転だけなら助かったかもと思ったら爆発…あまりに痛ましい」とリアルな演出に心を揺さぶられたという声が多数。

また、「娘の遺体の状態を想像して轟の嘆きが伝わった」と、父親としての轟の悲しみに共感するコメントも見られました。

SNS上でも、「争いは起こせばいい」という言葉に救われたといった声や、

「正義とは何かを考えさせられるドラマ」という評価が確認されており、

感情と社会性の両面から強く印象に残るエピソードとなったことがうかがえます。

最終回に向けた今後の見どころ

ついに物語は、バス事故の真相を暴き、巨大な権力に挑む最終局面へと突入します。

轟は、娘・佳奈を失った父としての怒りと悲しみを抱えながらも、弁護士として「正義」を実行に移す覚悟を固めました。

彼が率いるピース法律事務所には、浅見や桐石、伊野尾、高井戸、そして宇崎凌ら多彩なメンバーが揃い、それぞれの想いを胸に「最後の戦い」へと歩みを進めています。

一方で、黒幕として暗躍する石倉大臣の存在や、「モビリティ・シティ計画」の全貌、事故との関連など、まだ明かされていない謎も数多く残されています。

事故を「計画の障害」として処理した権力構造に対し、轟たちは法の力でどこまで切り込めるのか。

また、事故の責任を一身に背負わされた運転手・宇崎裕生の名誉は回復されるのか

佳奈の死に真正面から向き合う轟がどんな判決を勝ち取るのか、注目が集まります。

今作が一貫して問いかけてきたのは、「正義とは何か」「声を上げることの意味」。

その答えが、最終回でどのように描かれるのか――

すべての因縁と伏線が交差するクライマックスに、期待と緊張が高まっています。

最終回に向けた今後の見どころ

物語はいよいよ終盤へ。第10話では、バス事故の真相を法廷で明らかにするための第一歩が踏み出されます。

宇崎の母・純子が原告となり、事故当時の勤務先・湊中央バスを提訴。被告側は「裕生が副作用の強い薬を服用していた」と警察の見解を盾に反論します。

この訴訟は、轟たちが“国家ぐるみの隠蔽”と真正面から向き合う法廷闘争の幕開けとも言える重要な局面です。

さらに、宇崎と伊野尾は初めてバス会社を訪問し、事故の背景を探る中で新たな手がかりに近づいていくと見られます。

一方で、浅見は裏社会に接近し、闇カジノへの潜入という危険な策に打って出ます。彼の狙う人物とは誰なのか、そしてその背後にある権力とは何なのか――。

法廷、現場、裏社会。異なるルートから真相に迫るメンバーたちの動きが交錯し、全体像が徐々に明らかになっていく第10話。

そしてその先に待つ、第11話――最終回でついに迎える裁きと対決。

轟たちは、国家や企業の巨大な圧力とどう向き合い、どのように“正義”を突きつけるのか。

娘を失った父が辿り着く真実と、その先にある希望とは。

すべての謎が交錯し、すべての想いが爆発するクライマックスへ。

絶対に見逃せない、最終章が始まります。

この記事のまとめ

  • 第9話はシリーズの“エピソード0”とも言える重要な回
  • バス事故の真相が初めて明らかになる
  • 轟が「争いは起こせばいい」と決意する原点が描かれる
  • ピース法律事務所設立の経緯とその理念が示される
  • 浅見・桐石らとの共闘が始まり、本格的な逆襲の序章へ

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