2026年1月6日よりNHKで放送開始となった注目の法廷ドラマ『テミスの不確かな法廷』。
本作は直島翔による同名小説を原作に、社会の矛盾や正義のあり方を鋭く描くヒューマン・リーガルドラマです。
主演の松山ケンイチは、自身のASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)という特性を抱えながら裁判官として向き合う主人公・安堂清春を熱演。
脚本は『イチケイのカラス』で知られる浜田秀哉。重厚なストーリー構成と心理描写の巧みさが光ります。
この記事では、第1話のあらすじをネタバレ込みで詳しく紹介するとともに、原作や演出の見どころ、キャストの魅力、SNSでの反応などを交えて作品の世界を深掘りしていきます。
“L”を彷彿とさせる異色の裁判官が挑む、真実と赦しの法廷劇。初回から目が離せない展開です。
- NHKドラマ「テミスの不確かな法廷」第1話の詳しいあらすじと展開
- 原作・脚本・キャストに関する情報と演技の見どころ
- SNSや視聴者の反応から読み解く作品の注目ポイント
テミスの不確かな法廷 第1話ストーリー|事件の真相と安堂の裁き
NHKドラマ『テミスの不確かな法廷』第1話は、地方都市で起きた傷害事件の裏に潜む真実と、裁判官・安堂清春の内面を描いた物語です。
ここでは、シーンごとに物語の流れを追いながら、事件の全貌を整理します。
前橋地裁に着任した安堂清春の背景
主人公の安堂清春(松山ケンイチ)は、前橋地裁に新たに着任した裁判官。
幼少期に精神科医・山路(和久井映見)から、自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如多動症(ADHD)の診断を受けた過去を持ち、その特性を周囲には隠している。
人との距離感や感情表現に独特なものがありながらも、安堂は観察眼と論理的思考をもって裁判に臨んでいく。
傷害事件と被告人・江沢卓郎の供述の変化
地方市長・茂原が襲撃される事件が発生し、逮捕されたのは江沢卓郎(小林虎之介)。
当初は罪を認めていたが、初公判で一転して無罪を主張する。
この急な態度の変化に違和感を抱いた安堂は、供述の背景を探るため事件の深層に目を向ける。
津村執行官の示唆と事件の政治的側面
安堂は執行官の津村綾乃(市川実日子)と会話する中で、事件には政治的な要素が絡んでいる可能性があることを知らされる。
津村は「何を明らかにするかはあなたの仕事」と告げ、裁判の枠を超えた判断を安堂に促す。
小野崎弁護士との接触と事件関係者のつながり
喫茶店「パロマ」で、弁護士・小野崎乃亜(鳴海唯)と再び接触した安堂は、事件資料に目を通す。
そこには、証人であるタクシー運転手・藤山(金井勇太)と被告・江沢の姉・郁美が高校の同級生であったことが記されていた。
さらに、目撃者として証言している者の多くが、郁美が亡くなった病院の関係者であることが判明する。
裁判での藤山の証言と安堂の質問
証人として出廷した藤山に対し、安堂は「感謝状をもらったときの表情」に注目し、感情と供述の矛盾に疑問を投げかける。
その結果、藤山は自らの口で、市長と病院関係者による後援会活動により医師たちが不在となり、江沢の姉が急患として適切な処置を受けられず亡くなった経緯を明かす。
後援会ゴルフ大会の実態と藤山の罪悪感
事件の背景には、市長主導の定期的なゴルフ大会があり、実際には後援会の活動だったことが明らかになる。
姉が倒れた日も多くの医師がその場に参加しており、対応できず命を落とした。
藤山は、事件後もゴルフ大会の配車依頼を受け続けたことへの後悔と罪悪感から、本当のことを隠していた理由を語る。
江沢の供述と裁判の結末
江沢は法廷で、自らの感情を吐露する。
姉を奪った社会や人物への怒り、藤山をかばう気持ち、そして反省と後悔。
「殴ったことは悪かったが、許せない気持ちが消えない」「姉の分まで生き直したい」と涙ながらに訴える姿が印象的だった。
裁判所は、傷害罪に対して執行猶予付きの判決を下し、詐欺罪については無罪と判断する。
事件の背後にあった地域社会の構造
判決後、安堂は再び津村を訪ね、彼女が裁判を利用して市長の不正を表に出す意図があったことを知る。
津村は、茂原市長による土地開発で多くの農家が被害を受けていた事実を語る。
江沢家もその被害者であり、事件は単なる個人の衝動ではなく、社会構造が引き起こした悲劇でもあったことが浮き彫りになる。
「テミスの不確かな法廷」の原作と脚本家

NHKドラマ『テミスの不確かな法廷』は、社会と人間を深く見つめる視点から描かれたリーガルドラマです。
その根幹をなすのが、直島翔による原作小説と、脚本家・浜田秀哉の映像化による表現力です。
ここでは、それぞれの経歴と特徴を紹介します。
原作は直島翔の小説『テミスの不確かな法廷』
本作の原作は、作家・直島翔(なおしま しょう)による同名小説です。
2023年4月にKADOKAWAより単行本が刊行され、2025年11月には文庫化されています。
発達障害(ASD・ADHD)を抱える裁判官が主人公というユニークな設定で、物語は群馬県の前橋地裁を舞台に、司法制度や地方政治、医療制度の問題を背景に展開されます。
小説は、日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)の候補にもなっており、法律の専門性と人間の心理描写が高く評価されています。
脚本は社会派ドラマの名手・浜田秀哉
脚本を手がけたのは、テレビドラマを中心に活躍する脚本家の浜田秀哉(はまだ ひでや)です。
1973年生まれ、大阪府出身。関西大学文学部を卒業後、広告会社勤務を経て脚本家に転身。
代表作には、フジテレビ系ドラマ『イチケイのカラス』『絶対零度〜未然犯罪潜入捜査〜』シリーズ、『Chef〜三ツ星の給食〜』などがあります。
特に『イチケイのカラス』では、裁判官を主人公にした法廷ドラマとして社会的テーマを巧みに取り入れ、高い評価を得ました。
浜田氏の作品は、法や正義をテーマにしながらも、エンタメ性と人間ドラマのバランスが絶妙である点が特徴です。
『テミスの不確かな法廷』においても、原作の緻密な構成を活かしつつ、視覚的・感情的に訴える脚本に昇華させています。
豪華キャストの魅力と演技の見どころ
『テミスの不確かな法廷』は、複雑な内面を持つキャラクターが多数登場し、それぞれが社会と向き合いながら成長していくドラマです。
演技力に定評のある俳優陣が揃い、リアリティと説得力のある物語を支えています。
ここでは、主要キャストの役どころと演技の見どころを紹介します。
松山ケンイチ(安堂清春 役)|社会に馴染めない裁判官の葛藤を体現
主人公・安堂清春を演じるのは、実力派俳優の松山ケンイチ。
発達特性(ASD・ADHD)を抱え、“普通”であろうと努力してきた安堂は、法律という揺るがないルールを信じて裁判官の道を選びました。
松山は、安堂の衝動的な行動の裏にある理性や、孤独と共存する姿を、繊細な演技で表現しています。
鳴海唯(小野崎乃亜 役)|現実に立ち向かう若手弁護士
地方に移り、刑事事件の弁護に取り組む小野崎乃亜を演じるのは、注目の若手女優鳴海唯。
検察との力の差に限界を感じながらも、安堂の能力に光明を見出し接近します。
彼女の視点を通じて、安堂という人物の理解が進み、同時に小野崎自身も変化していく様子が描かれます。
恒松祐里(落合知佳 役)|理論派の若手裁判官
落合知佳は任官3年目にして将来を嘱望される判事補。
冷静な判断を信条とする彼女にとって、安堂の型破りな行動は理解しがたいものでしたが、次第に価値観が揺らいでいきます。
恒松祐里は、表情や言葉遣いの変化によって、「正しさ」と「感情」の間で揺れる心情を丁寧に演じています。
山崎樹範(古川真司 役)|実直な検察官の正義感
古川真司は、検察として被告を起訴し、確実に有罪へと導くために緻密な準備を行う人物。
安堂や小野崎の行動にペースを乱されつつも、信念を持って職務に取り組む真面目な検察官です。
山崎樹範は、その誠実さと人間味のある一面をバランスよく演じています。
市川実日子(津村綾乃 役)|現実主義の執行官
津村綾乃は、判決や命令を実行する執行官で、報酬が成果に直結する職務上、現実的な損得勘定で行動する一面を持っています。
市川実日子は、飄々としつつもつかみどころのない人物像を演じ、安堂に接近しながらも、その真意を読み取らせない絶妙な存在感を放っています。
和久井映見(山路薫子 役)|安堂を支える唯一の理解者
山路薫子は、安堂の主治医として、彼の成長と葛藤を長年見守ってきた精神科医。
彼女自身も過去に抱える痛みを持ちつつ、安堂にとっては心を開ける数少ない存在です。
和久井映見は、穏やかな語り口の中に温かさと影を内包しながら、静かに作品に深みを与えています。
遠藤憲一(門倉茂 役)|過去を秘めた部長判事
門倉茂は、前橋地裁の部長判事であり安堂の上司。
かつては反骨精神を持った判事として知られながらも、今は波風を立てず定年を迎えようとしていた人物。
遠藤憲一は、過去の情熱を内に秘めながらも、安堂の存在により揺り動かされる葛藤を静かに表現しています。
第1話ゲスト・小林虎之介(江沢卓郎 役)も高評価
第1話のゲストとして登場した江沢卓郎を演じたのは、俳優・小林虎之介。
姉を失った悲しみと怒りを抱える被告人として、感情の振れ幅の大きな役柄を担当。
裁判の中で徐々に心を開き、本音を語る姿は、短い出演ながらも強い印象を残しました。
筆者の感想|脚本と演出、演技の融合が際立つ作品

本作は、『ATARU』と『イチケイのカラス』を合わせたような印象を受けました。
後から調べてみると、脚本が『イチケイのカラス』を手がけた浜田秀哉さんだと知り、納得の構成力でした。
また、松山ケンイチさんの演じる安堂清春には、かつてのL(デスノート)を彷彿とさせる空気があり、非常に引き込まれました。
特に印象的だったのは、「わからないことをわかっていないと、わからないことはわからない」というセリフです。
一見すると難解ですが、「自分が理解していないことに気づいていなければ、本質を理解することもできない」という意味として捉えると深く感じられます。
安堂が“変わりたい”と心の奥で願っている姿がこの言葉ににじんでおり、演技と台詞の両方が印象に残りました。
『テミスの不確かな法廷』視聴者の感想と評価
『テミスの不確かな法廷』第1話は、SNSを中心に多くの話題を呼びました。
登場人物の細かな仕草や、リアルな設定に注目が集まり、作品全体に対する評価は「地味だが深い」「静かに刺さるドラマ」として好意的な声が多く見られました。
自然な仕草や小道具の描写に共感の声
視聴者の間で話題になったのは、主人公・安堂の細かな行動や生活感のある描写です。
「頻繁に使う調味料のストックが3本も4本もあるの共感しかない」「地球人がよくやる飲み会が苦手、仕事上のやつは特に」といった投稿が見られ、些細な描写に自身を重ねて共感する声が多く寄せられました。
ASD・ADHDの特性描写にリアリティを感じるという声
「ADHD、ASDの仕草がバッチリ再現されていた」「言葉のチョイスや反応が本当に自然」と、安堂のキャラクター設定に対してはリアルで誠実な描写として受け止められていることがうかがえました。
過度な演出がなく、視覚的・身体的な特徴を自然に取り入れている点が評価されています。
キャスト全体への好感度が高い
視聴者からは「出てくる役者たち全員好きで最高」「キャスト良すぎないか」といった声が目立ち、主要キャストはもちろん、脇役やゲスト俳優への好感度も高く保たれています。
「この弁護士役の人(鳴海唯)初めて見たけど演技上手い」「遠藤憲一、こういう役多いけど安定感ある」など、キャスティングへの納得と満足の声が多く見受けられました。
脚本・構成への信頼感と注目
脚本や演出の構成力についても、「まずは動機から見直してみるってスタンスが良い」「弁護人が話をちゃんと聞いてないなら大問題だけど、裁判官がそこを指摘するのが新鮮」といった感想があり、細部にまでこだわった脚本設計に好意的な反応がありました。
また、「NHKのドラマ班、最近本当に優秀」といった声もあり、作品全体の完成度への信頼感がうかがえます。
現実との接点や考察が活発に
物語の中で描かれる事件が、実在する市の開発計画と類似していたことから、「市長の土地開発計画が犯行の遠因になっているとは…」「被害者のモデルが明確すぎて驚いた」との反応も。
これは単なるフィクションではなく、現代社会の歪みを可視化する社会派ドラマとしての側面が視聴者に強く意識されたことを示しています。
総評:静かながらも考えさせられる作品として支持
全体を通じて、第1話の視聴者評価は「派手さはないが内容に深みがある」「俳優の表情や間で語らせる演出が見応えある」といった肯定的なものが多数でした。
エンタメ要素に頼らず、丁寧な人物描写と静かな緊張感で魅せるスタイルに共感が集まっており、「次回も観たい」「毎週じっくり考えながら観たいドラマ」との声が多く投稿されています。
『テミスの不確かな法廷』第2話のあらすじと見どころ

第2話のあらすじ
第2話では、新たな事件を通じて、小野崎弁護士と安堂裁判官の関係性がより深く描かれます。
高校バスケットボール部のエース・栗田奈央(山時聡真)が、同級生への傷害事件で起訴され、小野崎乃亜(鳴海唯)が弁護人として担当することになります。
栗田は正当防衛を主張しており、当初小野崎もそれを信じて弁護にあたりますが、目撃者の証言に違和感を覚え、事件現場に足を運ぶ決意をします。
調査中、小野崎は不審者扱いを受けていた安堂清春(松山ケンイチ)と偶然に遭遇します。
それぞれ別の立場で事件に疑問を抱いていた二人は、目撃証言の矛盾という共通の違和感をもとに、協力しながら事件の真相に迫っていきます。
調査が進む中で明らかになったのは、栗田にとって不利となる新たな証拠や証言でした。
小野崎は「真実を追求するか、依頼人の利益を守るか」という、弁護士としての信念を問われる局面に立たされます。
そして安堂の存在は、小野崎にとって価値観を揺るがすきっかけとなり、職業倫理と人間的な葛藤が物語の軸となっていきます。
第2話の見どころポイント
- 事件の構造がより複雑に描かれ、目撃者の証言の信憑性に焦点が当てられる点
- 小野崎弁護士の成長と内面の葛藤が丁寧に描かれ、視点が多面的になる構成
- 安堂と小野崎の距離感の変化と、裁判官と弁護士の立場を超えた連携の可能性
- 証拠や証言に潜む見落とされがちな事実がどのように浮かび上がるかの過程
第2話では、「法の正義」と「人の感情」が再び交錯し、物語はさらに深みを増していきます。
事件そのものの緊張感に加えて、人間の内面に踏み込んでいく描写が見どころとなっています。
『テミスの不確かな法廷 第1話のまとめ
NHKドラマ『テミスの不確かな法廷』第1話は、個性と社会の関係性、そして正義とは何かを問いかける重厚な法廷ドラマとして、多くの視聴者の心をつかみました。
発達障害という特性を持ちながらも、それを隠し、裁判官として法と向き合おうとする主人公・安堂清春の姿は、今の社会が抱える「多様性」と「同調圧力」という二つの価値観の狭間に立たされています。
本作は単なる法廷劇にとどまらず、政治、医療、地方の構造的な問題までも描く社会派ドラマとしての顔も持ち合わせており、第1話の段階でその奥行きの深さが示されました。
演出は過剰にならず静謐な空気を保ちつつ、随所に込められた伏線や会話の重みが印象的でした。
また、豪華キャスト陣による抑制された中にも緊張感のある演技が、作品の世界観に説得力を持たせています。
特に、ゲスト出演の江沢卓郎役・小林虎之介による涙の訴えは視聴者に強い印象を残し、社会に翻弄される一市民の苦悩がリアルに描かれていました。
今後、安堂がどのように社会との接点を深めていくのか。
また、彼を取り巻くキャラクターたちがどのように変化していくのかも見どころとなります。
人と人が理解し合うとはどういうことか――。その問いの答えを探す旅は、まだ始まったばかりです。
- 松山ケンイチ演じる安堂はASD・ADHDの特性を抱える裁判官
- 第1話では市長襲撃事件の真相に迫る重厚な展開
- 「わからないことはわからない」が心に残る名セリフ
- 原作は直島翔の同名小説、脚本は浜田秀哉
- 演出や構成が「イチケイのカラス」に通じる完成度
- Lを彷彿とさせる松山ケンイチの演技に注目
- 市川実日子や遠藤憲一ら豪華キャストが脇を固める
- SNSでも「裁判官の異質さ」に共感や評価の声多数


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