フジテレビ系ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(通称:もしがく)の第7話が放送され、物語はいよいよ第二幕に突入しました。
今回のキーワードは「冬物語」と「トニーの覚醒」。
劇団内の信頼崩壊と再生の兆しが交錯する中で、ラストにトニー安藤のひたむきな稽古姿が、揺れ動く劇団の未来を左右する鍵として描かれ、大きな注目を集めています。
本記事では、『もしがく』第7話のあらすじを整理した上で、冬物語との関連性やトニーの存在が持つ意味についても掘り下げて解説。
視聴者の感想やSNSでの反応も踏まえながら、今後の見どころを予想します。
- 『もしがく』第7話のあらすじと物語構成
- シェイクスピア『冬物語』と劇団の再生を重ねた演出意図
- トニーの覚醒が物語にもたらす希望と注目ポイント
「もしがく」第7話あらすじ|金と別れが交錯する劇団の第二幕
第7話では、久部三成が新たに選んだ演目「冬物語」の上演に向けて劇団が動き出します。
しかしその裏では、資金繰りの問題や劇団メンバーの引き抜き、久部による金銭の扱い、そして人間関係の変化が交錯していきます。
そして最後には、一人稽古に励むトニーの姿が静かに描かれ、希望と不安が同居する回となりました。
劇団の新たな挑戦と裏に潜む緊張感
支配人の浅野大門は、劇団の財政難を補うために私物の甲冑を売り、「今週の売り上げ」としてオーナー・ジェシー才賀にノルマの封筒を差し出します。
それに気づいていたオーナーのジェシー才賀の「どんな金でも金は金」という言葉に久部三成は怯える表情を見せます。
そんな中、次の演目としてシェイクスピアの『冬物語』を上演することが決定。
緊張感漂うリハーサルの中、大御所俳優・是尾礼三郎は上演前に酒を飲んでしまうという一幕もありながら、舞台はなんとか幕を開けます。
演出チームの衝突と揺れる人間関係
久部はジャズ喫茶「テンペスト」へ。樹里に「演出助手の助手」を依頼していた。
彼女に「上演時間を短くする案」を求め、提示されたアイデアに感心するも、隣の席に座っていたリカは激しく反対。
セリフを削る以外に方法はないというリカの主張と、柔軟な案を出す樹里が対立し、リカは「もっと勉強しなさい」と突き放します。
その後、リカは突如現れたトロと共に喫茶店を後にします。
はるお“一本釣り”騒動と久部の金銭トラブル
一方、CXプロデューサーのスカウトにより、王子はるおだけにレギュラー番組の出演話が舞い込みます。
劇団からの離脱か、両立かを悩むはるおに、久部は「フォルモンと一緒では出世できない」と背中を押しますが、劇団と両立はできないと聞くと、今度は一転して「迷惑がかかる」と態度を変えます。
それを聞いたはるおは、整形資金として渡された150万円を返すと言い出すと、久部はまた態度を変え「番組に出演し、150万は俺が預かる」と言い出す。
しかし、そこへやってきた大瀬六郎に話を聞かれ、「はるおだけが選ばれた」と情報を漏らしたことで、フォルモンの耳にも真実が届きます。
落胆したフォルモンに対し、久部は「お金を預かっている」と5万円だけを渡しますが、「バカにするな!」と怒鳴られ、事態はさらに混乱します。
別れと希望、そして浮かび上がるトニーの存在
はるおは荷物をまとめ、劇団を離れる準備をします。弟分の蓬莱省吾は「兄さんはもっと上に行く人」と励まします。
久部に渡したお金に対して不信感を抱いたはるおは、蓬莱に「着服しないよう見張っていてほしい」と伝えます。
その後、劇場前では劇団員たちが別れを惜しみ、はるおに声をかけます。
しかしフォルモンに対しては、差し出した手を無視し、「どいてくれ!」と吐き捨て出ていく。
最後、久部は支配人にお金を渡しますが、見ていた蓬莱に「こんなこといつまで続けるんですか」と問われ、頭を抱えます。
そんな中、劇場ではトニーがひとり黙々と稽古を続けており、それを見た久部は「続けて!」と演技指導に入ります。
全てが崩れかけた劇団の中で、唯一希望を感じさせるトニーの姿が印象的なラストでした。
シェイクスピア『冬物語』とは|誤解と再生を描くロマンス劇

『冬物語(The Winter’s Tale)』は、ウィリアム・シェイクスピアが1610年ごろに執筆した作品で、悲劇と喜劇の要素を併せ持つロマンス劇に分類されます。
全体を通して、「嫉妬・誤解・喪失・再会・和解」といった人間の感情と赦しが中心に描かれており、前半と後半で大きくトーンが異なるのが特徴です。
物語は、シチリア王リオンティーズの嫉妬によって引き起こされた悲劇から始まり、16年後に運命の再会と和解を迎える構成になっています。
前半:嫉妬による悲劇の連鎖
物語は、シチリア王リオンティーズが親友であるボヘミア王ポリクシニーズと妃ハーマイオニの仲を疑うことから始まります。
リオンティーズはポリクシニーズの毒殺を家臣カミローに命じますが、カミローは王の命令に背き、ポリクシニーズとともにシチリアを脱出します。
怒りに狂ったリオンティーズは、妃ハーマイオニを牢獄に幽閉し、彼女が産んだ娘パーディタを捨てさせます。
さらに、神託によって「妃の潔白」と「捨てられた娘が未来の希望であること」が告げられますが、時すでに遅く、息子マミリアスは衝撃で亡くなり、ハーマイオニも命を落としたと伝えられます。
後半:16年後の奇跡的な再会と和解
舞台は16年後のボヘミアへ移ります。捨てられた王女パーディタは羊飼いの家で育ち、美しい娘へと成長していました。
彼女は身分を知らずに育ちますが、偶然にもポリクシニーズの息子・フロリゼルと恋に落ちます。
身分の違いから反対された二人は、家臣カミローの助けでシチリアに逃れます。
そこでパーディタの出生が明らかになり、彼女がシチリア王リオンティーズの実の娘であることが発覚。
再び再会したポリクシニーズとリオンティーズは和解し、パーディタとフロリゼルも結ばれます。
さらに、死んだと思われていたハーマイオニが生きていたことが判明し、長い年月を経た夫婦の再会によって物語は大団円を迎えます。
時間の経過を演出する劇中の「時」
『冬物語』では「時」という登場人物が物語の中に現れ、16年の時間の流れを観客に告げます。
これは単なる演出ではなく、作品全体のテーマでもある「赦し」や「再生」の舞台を整えるための重要な装置です。
一度壊れてしまった人間関係が時間を経て修復されていく、その希望と回復の物語が、この劇の核となっています。
フォルモンと王子の別れが重ねられる『冬物語』のテーマ
第7話で描かれたお笑いコンビ・フォルモンと王子はるおの解散劇は、シェイクスピアの『冬物語』が内包する「嫉妬と破壊」そして「赦しと再生」という流れと強く重なります。
フォルモンが王子に対して感じた突然の引き抜きによる疎外感と嫉妬、一方で王子の心には「仲間を裏切ることへの葛藤と後悔」がありました。
この二人のすれ違いは、まるでリオンティーズとハーマイオニの誤解と別れのようでもあり、今後の物語で互いの想いを赦し合う未来を予感させる構造になっています。
特にフォルモンが無理に笑って「いつか前説でもいいから呼んでくれ」と言いながらも、握手を拒絶される場面は、嫉妬・愛情・決別が入り混じった非常に人間味のあるシーンでした。
また、父・ポニー田中の陽気な姿と対照的に、はるおの苦渋に満ちた決断も胸に迫ります。
『冬物語』がそうであったように、これらの感情が時間を経て「赦しの物語」へと昇華されるのかは、今後の注目ポイントとなりそうです。
冬物語とトニーの覚醒が導く劇団再生の可能性

第7話の終盤、劇団が崩壊の危機に直面する中、唯一前向きな兆しとして描かれたのがトニー安藤(市原隼人)の姿でした。
物語のラストシーンで、無人の劇場で一人稽古を重ねるトニーの様子は、劇団の中で演劇そのものに純粋に向き合う数少ない人物として、際立つ存在感を見せています。
その姿に心動かされた久部が「続けて!」と演技指導に入る場面は、混乱に満ちた本話の中でも特に象徴的なシーンとなりました。
孤独な稽古が映し出す、演劇への本気
他の劇団員が去り、信頼関係や金銭面での問題が噴出する中、一人きりで汗だくになりながら台詞を繰り返すトニーの姿は、混乱を超えて舞台を成功させたいという真摯な意志を感じさせます。
劇団の「冬物語」は始まったばかりで、演出もキャストも不安定な状況ですが、トニーだけは確実に前を向いて取り組んでいることが描かれました。
久部の変化を促す存在としてのトニー
久部はこれまで、金銭問題やリーダーシップの欠如により、劇団員からの信頼を次々と失っていました。
しかし、トニーの演技に触れた瞬間だけは、自分も演出家として向き合う姿勢を取り戻し、思わず演技指導を始める様子が見られます。
トニーの姿勢が、久部の「演出家としての初心」を思い出させたとも受け取れる展開です。
視聴者の注目が集まる「唯一の希望」
SNSや各種コメントでは、「トニーが唯一の希望」「劇団唯一のストイック枠」など、視聴者からの好意的な反応が目立ちました。
特に、混乱の収拾がつかない中で、一人だけぶれることなく演劇に向き合う姿勢が支持されており、今後の劇団再生におけるキーパーソンとして期待されていることがうかがえます。
第7話は全体として人間関係の軋轢や金銭的トラブルが大きく描かれましたが、その中でトニーの存在は物語の救いとして機能しています。
『もしがく』第7話の感想|久部の暴走と俳優陣の熱演が賛否を呼んだ回

『もしがく』第7話は、登場人物たちの決断と対立、別れの瞬間が次々と描かれた濃密な内容でした。
劇団内の崩壊寸前の緊張感に加え、久部の行動に対する是非や、フォルモンとはるおのコンビ解消など、視聴者の間でも感情が大きく揺さぶられる展開となりました。
特にコメント欄やSNSでは、「胸が痛くなった」「感情が追いつかない」といった反応とともに、ストーリーの中で明暗が大きく分かれたキャラクターたちへの評価が相次ぎました。
「最低」でも目が離せない久部への複雑な反応
150万円を久部が預かり、フォルモンには5万円しか渡さなかったシーンに関しては、「中抜きがひどい」「クズムーブ全開」「全部久部のせい」といった否定的な声が非常に多く寄せられました。
「こんなに人間としてダメなやつなのに、なぜか見てしまう」「最低な行動ばかりなのに、憎めないのが不思議」といった三谷幸喜作品らしい“魅力あるダメ人間像”に惹かれる視聴者の声も一部ありました。
ただし、「そろそろ久部が痛い目を見ないと納得できない」「見てて不快だった」という厳しい意見も少なくありません。
コンビ解散の場面に涙…はるおの冷たさとフォルモンの哀しみ
はるおがフォルモンの差し出した手を拒絶するシーンは、視聴者の心を最も強く動かしました。
「笑顔で別れを告げるフォルモンが切なすぎる」「はるおの態度が冷たすぎて辛い」「あの場面、何度も見返した」といった感情移入した声が多く見られました。
一方で、「はるおははるおで相当葛藤していたと思う」「あえて突き放すことでケジメをつけたようにも見えた」と、あの行動を肯定的に捉える意見も一定数存在します。
芝居が光ったという高評価の一方で、物語のテンポに疑問も
フォルモン役の西村瑞樹、はるお役の大水洋介、トニー役の市原隼人らが見せた繊細かつリアルな演技に対しては、称賛の声が多数あがりました。
「泣ける芝居だった」「演出より役者の演技が主役」「三谷さんの脚本を見事に咀嚼している」と、キャストへの評価は概ね高めです。
一方で、「登場人物が多すぎて話が散漫」「1話に詰め込みすぎて感情がついていけない」といった展開のスピード感や構成に対する不満の声も上がっています。
「やってることは面白いが、1時間では足りない」「もう少し人物同士のやりとりを丁寧に描いてほしい」と、今後への改善点を指摘する意見も目立ちました。
『もしがく』第8話のあらすじ|舞台『冬物語』開演、劇場に響く予期せぬ叫び
WS劇場では、久部三成(菅田将暉)が演出を手がけるシェイクスピア劇『冬物語』の上演が始まります。
観客席では、八分神社の巫女であり演出助手の江頭樹里(浜辺美波)が、芝居を見ながら必死にメモを取っています。
隣に座る神主の父・論平(坂東彌十郎)から「芝居に集中できねえだろ」と注意されるも、「カットできるところをチェックしているの」と真剣な様子を崩しません。
既に台本は大幅にブラッシュアップされており、出演者の“おばば”(菊地凛子)は「私の出番も全カット」と皮肉をこぼす場面も。
舞台上では、大御所俳優の是尾礼三郎(浅野和之)と若手のケントちゃん(松田慎也)が共演し、舞台は静かに進行します。
しかし、その緊張感を破るように突如「下手くそ!」というヤジが観客席から飛ぶ事態が発生。
その声の主は、倖田リカ(二階堂ふみ)の元情夫・トロ(生田斗真)でした。
上演中の舞台に“私的な関係”が介入するという異常事態に、劇場の空気が一気に張り詰めていきます。
『もしがく』第8話の見どころ|舞台と現実が交錯する緊迫の本番

リカ・樹里・トロ──交差する感情のトライアングル
演出助手として舞台を支える樹里は、久部に惹かれる思いを抱きながら、台本の調整にも積極的に関与。
一方、リカは樹里に対して警戒心を強めており、彼女と久部の関係にも複雑な感情を抱いています。
そんなリカの過去の関係者であるトロが客席から現れ、突如舞台を批判するという予期せぬ事件が起こります。
舞台という“演技の場”に、“現実の人間関係”が押し寄せてくる構造は、今作の魅力の一つであり、緊張感が高まります。
演技の化学反応──是尾×ケントちゃん
本作で初の本番シーンとなる『冬物語』で、是尾礼三郎とケントちゃんが共演します。
これまで酒に逃げていた是尾が本番でどう演じるのか、若手ケントちゃんとの芝居の掛け合いがどう展開するのか、世代を超えた芝居の融合にも注目が集まります。
本番舞台がもたらす変化の連鎖
第8話では、芝居の内容と登場人物たちの現実が重なり合い、“舞台そのものがドラマを動かす原動力”となっていきます。
久部の演出は観客や劇団員の心を動かせるのか?トニーは本番で輝けるのか?
これまで内部崩壊寸前だった劇団が、本番を通じてどう変化していくのか――物語の新たなターニングポイントとして、見逃せない回となりそうです。
『もしがく』第7話まとめ|信頼の崩壊とトニーの光が交差する転換回
第7話は、劇団の危機と久部の信頼失墜が同時に描かれた、物語の大きな転換点でした。
はるおの引き抜き、フォルモンとの別れ、150万円を巡る不透明なやり取りなど、久部を取り巻く信頼関係は大きく揺らぎます。
一方で、唯一希望を感じさせたのがトニーの真剣な稽古姿でした。舞台に真摯に向き合う彼の姿に、久部も再び演出家としての意志を取り戻しつつあります。
『冬物語』が掲げる「誤解と赦し」「再生」というテーマが、まさに劇団の今に重なってきた本話。
次回、舞台本番を迎える中で、それぞれの思いがどう交差していくのか──冬物語の行方とともに、劇団の再生に期待が高まります。
- 『もしがく』第7話のあらすじを解説
- 演目はシェイクスピアの『冬物語』に決定
- はるおの離脱とフォルモンとの決別が描かれる
- 久部の行動が信頼を大きく揺るがす展開に
- 唯一前向きだったのはトニーのひたむきな稽古
- 久部が演出家として初心を取り戻す象徴的シーン
- 『冬物語』のテーマが劇中にリンクする演出
- 第8話では本番開幕、舞台と現実が交差する






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